裕人礫翔
箔工芸作家
1962年、京都西陣に生まれた裕人礫翔は、経済産業省が認定する伝統工芸士です。父であり京都市伝統産業技術功労者の号を持つ西山治作に師事し、箔工芸技術を学びました。 伝統的な技法・技術の習得に留まらず、箔絵で表現出来ることの幅を広げるため、および貴重な技術の継承を目指して積極的な活動を展開、桂由美氏や片岡鶴太郎氏など、様々なジャンルのデザイナーやアーティストともコラボレーションを行っています。
また、文化財保存を目的として進められているデジタルアーカイブ制作事業に参画し、箔工芸士の誰もが成し得なかった再現手法を独自の理論と経験をもとに完成させました。400年に及ぶ歳月の経過を再現できるその手法は、金属箔による装飾が施された古画の複製方法として特許も取得しており、貴重な文化財の保護と活用に大きく貢献しています。特に、国宝「風神雷神図屏風」の高精細複製は有名で、京都の建仁寺へ奉納されました。
裕人礫翔の活躍は国内にとどまらず、シアトル美術館、メトロポリタン美術館等の海外に所蔵される作品の複製プロジェクトにも協力、光琳や狩野派による屏風、襖絵を京都に里帰りさせました。これら複製した作品は、その質の高さや文化的価値、貢献が認められて「京版画」として商標登録されています。その他、パリ、ニューヨーク、クウェートなどでも展示会を開催、大きな注目を集めました。
裕人礫翔の功績と活躍は、日本の優れた文化や芸術の象徴として世界に誇るものとなっていますが、西陣・箔工芸の伝統を重んじながらも、新しい発想で独自の世界を創造し、その素晴らしさを世界に発信し続ける彼のチャレンジ精神は、後進育成の面からも周囲に刺激を与え続けています。
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