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奥田祐斎

染色家

ABOUT

奥田祐斎さんは1950年、三重県熊野市に生まれました。母方の染め物師の家系の血が、確実に奥田さんには受け継がれています。はじめは絵画と彫刻、その後に西洋と日本双方の服飾デザインを学び、京都の染め物技術を習得するに至りました。1980年には京都に、自らで祐斎染色研究所を設立しました。そして1992年、長い間失われていた禁色『黄櫨染』を再現することに成功したのです。


『黄櫨染』とは、弘仁11年(820年)嵯峨天皇により、それまでの紫から改めて定められた、天皇のみに許された衣服の染め色のこと。天皇の象徴でもあり、他の者には決して許されぬ禁色とされ、目にされる機会も少なく、技術そのものも限られた範囲で伝承されていました。光線で変化する『太陽の染』とも呼ばれたその色の正体については、長きにわたって謎とされ、口伝によった伝承もついには絶え、技術は失われてしまっていたのです。


「夢黄櫨染(ゆめこうろぞめ)」は、『黄櫨染』の調査と再生で培った技術に新しい技法を加え、奥田さんが編み出した、光線で変化する染め色です。『黄櫨染』の美しさを持ちながら、現代人のセンスにもふさわしい色使いを実現しました。

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5種類の「夢黄櫨染(ゆめこうろぞめ)」はそれぞれ反射光で劇的にその彩りを変えます。濃い青から鮮やかなローズカラーへ、あるいは黒から深みのある赤への変化など、そのはっきりした変化には目を見張るものがあります。そして、どの色をもつ「夢黄櫨染」も、全て一律に、太陽光線を透過させることで日本の太陽を現す、鮮やかな赤色を現すのです。奥田さんは、日本の伝統として重要なこの至高の技術を、次の世代に伝えることの必要性を感じています。それと共に、世界に誇るべきものとして発信を続けることを使命と考え、作品作りを続けているのです。

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