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業種:
伝統工芸×デザイン
所在地:
京都府京都市

中川木工芸×リンクアップ 共同開発 京指物シャンパンクーラー

日本の木の伝統から生まれたシャンパンクーラー



日本人は古くから生活の中で木と深くかかわりあい、繊細な感性とわざで木のものづくりをしてきました。まっすぐな木目や白く清浄な木肌の美しさを生かした桶指物はそのわざの極致といえるでしょう。
日本で用いられる銘木の中でもひときわ品格の高い木に、高野槇と檜があります。水に強く保温性に優れているため、風呂桶の材として珍重されてきました。その高野槇と檜を使った桶のシャンパンクーラーは軽く、ボトルの保冷に適し、結露も生じにくくなっています。日本人が生活文化の中で楽しんできた木の美しさと特性を生かした、ラグジュアリーなシャンパンクーラー。もちろんシャンパンだけでなく、ワインや日本酒を冷やしてお使いいただくこともできます。



京都のたる職人の技が生んだ優美な形



従来の桶の常識をやぶる、楕円型の形とシャープな口縁。この斬新なデザインは桶の工法上きわめて困難なもので、数々の試作段階を経てようやく完成に至りました。伝統の桶の技とクールなデザインを融合させたのは、京都の桶指物の工房・中川木工芸の三代目・中川周士。料亭や高級旅館からの伝統的な桶の注文に応じるほか、洋の食卓でも使えるモダンデザインの桶の展開も精力的に行う、日本で唯一の桶職人です。

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中川木工芸

千年以上の伝統を受け継ぐ京都の職人

日本の生活必需品だった木の桶づくりはプラスチック製品の普及とともに衰退(*1)しました。しかし京都では職人の技によって桶に洗練が加えられ、食器や茶席の花器として、高級な「京ものの桶」として新たな用途と活躍の場が生み出されています。シャンパンクーラーを製作した中川木工芸(京都市左京区)の中川周士は京都の桶職人の三代目。先代である父・中川清司は重要無形文化財(人間国宝)「木工芸」に指定される、日本を代表する名工です。

*1 京都の桶職人の工房は現在わずか数軒。中川木工芸・初代の時代には約250軒あったという。

 

檜は、日本最古の神話『古事記』にも建材として用いられた記述が残る木材。特に寺院や神社の建築には不可欠なもので、伊勢神宮(*1)をはじめ日本に残る品格の高い歴史的な木造建築には、ほぼすべての檜が建材として用いられています。

木曽川上流に産する木曽檜はとくに上質なものとして知られ、中でも尾張徳川家(*2)の御用林として手厚く管理されていたのが「尾州檜」。シャンパンクーラーには樹齢200年以上の尾州檜を、さらに部材を厳選して用いています。ほのかな温かみを感じさせる色と手触り、表面に平行に走る木目「柾目」は、樹齢が長く、品質の高い木材であることの証明です。また、檜には独特の香りがあり、森林を思わせる芳香はアロマテラピーにも用いられています。 

*1 伊勢神宮…内宮は皇室の御祖先の神・天照大御神(あまてらすおおみかみ) をまつり、日本人の総氏神と言われています。20年に一度、社殿、宝物をすべて新調する「遷宮」が行われ、そこでは大量の檜が用いられます。

*2 尾張徳川家…江戸時代、愛知県西部を治めた大名家。徳川将軍家に次ぐ地位を持つ徳川御三家の中でも最高の家格を有しました。

200丁の鉋を駆使する至高のわざ

桶は金属の釘を用いず、木材を組み合わせ(指し合わせ)ることによって造形するわざ、「指物」(*1)という木工の技でつくられます。切りだしてから長期間寝かせた原木を割り、へぎ板に「銑」(せん)という弓状の刀で丸みをつけ、組みあげてからカンナを細やかに使って形を整えてゆきます。 側板の一枚一枚を丁寧に削り、手で組み上げる桶づくりの工程は、ひとつの桶ができあがるまで5日間以上を要します。一つとして同じものはない材木の性質や、作業中の気候に応じた加工が求められる繊細な作業、とくに仕上げの削りの工程では、職人は「カンナの底に目をつける」という心持ちで、200丁以上のカンナの中から最適なものを選び、部分によって使い分け細心の注意を注ぎながら仕上げを行います。

*1 京指物 起源は平安時代に遡る。神殿や社、数寄屋建築などにもこの工法が用いられる。


シャンパンクーラーの制作工程
Step 1 

原木から木の繊維に沿って割ったへぎ板。 これを雨にさらしてシミが出ないようアク抜きをする。桶の側板となる。

Step 2
銑(せん)とういう刀で削り、側板となるべき板の内側、外側に丸みを作る。シャンパンクーラーには、この側板が一個につき20枚用いられる。

Step 3
「正直」とよばれるスケールで確認しながら側板を継ぎ合わせる部分がぴったり合うように角度を調整する。

Step 4
板の側面側面お小さな竹釘で留めつけ輪に組み上げえる。ここからカンナを使って桶の形を整えてゆく。へぎ板の状態から完成までに、材木は三割ほどが削り取られる。

Step 5
工房に200丁以上あるカンナ小さなものは親指大程度。これを場所によって使い分け、桶の形を整えてゆく。

Step 6
薄く削った箍(たが)をはめる。底を入れ、全体を磨き上げて完成する。

 

200丁の鉋を駆使する至高のわざ
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